2011年5月14日土曜日

空とぶ@@@

わたしは 暗く生暖かい 空気がまとわりつくような

森の中で、迷子になっていた。

ざわざわと風が吹くと、木々の梢がゆれ 、見えるよう

で 見えない青空から かすかに木漏れ日の道導が

足元を照らした。

どれぐらい歩いただろうか・・・突然目の前に白壁の

洋館が現れた。苔むした森に その洋館は少し違和感

があった。何が原因かわからなかった。

近づくと青に金の縁取りをした看板がかかっていた。

赤い字で「注文の多い料理店」と書いてあった。

「なに?聞いたことがあるなーー・・・たしか・・・

 宮沢賢治だ!! 食べられるのかい・オイオイ!」

けれど、空腹感と好奇心には勝てなくて入口のドアを

開けると、

{マウスを お持ちください}と書いてあった。

わたしは ポケットから 常備携帯マウスを取り出した。

そして次のドアを開けると、そこは散髪屋だった。

お店のひとがマウスの裏を一回なでると、バリカン

仕様になった。

えりあしがすっきり、涼しくなっていく・・・大きなあくび

をしてわたしは眠りに落ちた。

心地よい眠りから覚めたわたしは、目の前の鏡に映っ

た自分をみて 仰天した。

1ミリヘアーにびっしりとパン粉がくっついており、

頭はまるで大仏様。感心している間もなく次の部屋に

通された。奥におふろがある そこは脱衣所だった。

「あかすりをします。ゆっくりつかってください。」

「そんな 気持ちのいいことしてくれるんや。ありがたい。」

溶けていくような ぜいたくな牛乳&卵 風呂で、うっと

りしたあとは、また眠くなった。

「なんぼでも、あかすり してちょ・・・・・zzzzz・・・」

体じゅうエステの泥パックでもしてるのか、なにか

皮膚がつまっている感じがして 目が覚めた。

パックもパック。パン粉のパックだった。

奥から声がした。

「油の温度はどうじゃ?」

「ひさびさの おかしら付きだからね」

「ケチャップとマスタードで いただこうかな・・」

・・・・えらいこっちゃ・・・・

・・・・あら でっかい猫! ばけものねこだな・・・・・

「あのーすみません トイレに行かしてください。

もれそうなんです・・・。あう・・」

「それは 行っておいたほうが 味が・・いや・・

 パックがおちないようにそろそろ行ってください。」

右手にはしっかりと マウスがおさまっていた。

常備携帯フライマウスは 本来はパソコンに使うが

電話・バリカン・そしてこれから背中がぱかっと開いて

空を飛ぶのである。テントウムシが羽をひらくように。

口にわりばしをくわえ、その両端をわたしがつかみ

「とべ~~~」ちいさくても 高性能の飛ぶマウスは

こうして長年のうっぷんを猫にはらし わたしは

からあげにならずにすんだのである。