あたしは 宇宙からやってきた オリオンドロイド。
地球の生命体と、ほぼ同じ進化をたどった、オリオン星
座系の オリオンの食物連鎖の頂点にいる。
しかしこの星の「ヒト」のように捕獲したり、栽培、収穫
したりするのではない。
乱獲が続けば、種は絶滅・・・自分の首をしめること
になる。今 地球では何千何百という魚類、哺乳類
鳥類などが絶滅の危機にひんしているという。
あたしたちはそんな地球に目をつけた。
あたしたちは もうすこし 賢い!!
あたしたちは、食料難にならぬよう、生かさぬよう
殺さぬよう 相手に寄生する。
それも 種の保存と生き残りと増加をかけて、手の
こんだ方法で「ヒト」に寄生する。
あたしたちは、落下した隕石として、この星にやってき
た。そして、岩や山はだに同化し特殊な金属を産む
石として多くのなかまを増やしてきた。
どうやら、「ケータイ」と呼ばれるものの中に仕込まれる
金属らしい。
何回か加工を繰り返し、「ケータイ」に組み込まれる。
「ヒト」は電話をする。「もしもし」「ハロー」
その瞬間 携帯の上部にある小さな穴から、見えない
ほどのスピードでするりと耳のなかにはいっていく。
そして脳に寄生するのだ。
美味しいものを食べたい、素敵なひととデートをしたい
子孫を増やしたければ 寄生化した脳をもつ相方を
サーチビームで感知し、結婚させる。
なにもかも 思いのまま。いわばガンダムの操縦を
しているようなものだ。
あたしたちは「ヒト」の脳から指令を出して 栄養を
いただき 『ヒト」には気づかれずにその体を やがて
は地球をのっとるのである。
いかさぬよう ころさぬよう・・・・
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2010年11月28日日曜日
世界大戦のあとで
人間てやつは本当に仕方のない生き物だ。
テロや核実験、宗教問題をかかえての長い戦い・・
独立の弾圧・・・・
20@@年。
ノドン・テポドン・ゲンバク・・・とうとうはじまってしまった。
世界遺産は あとかたをとどめず、美しい海は汚れ
街という街は破壊された。
営々と築いてきたものが、一瞬に消えさる。
第3次世界大戦の前に、人間の叡智がもろくも
崩れ去るときだった。
土も草木も川や海も汚染された。
生きとし 生けるものは なにひとつなかった。
空に一羽の鳥さえ・・・・
地球は宇宙からはかわらぬ青い星だったが
地上の放射能は2年たっても3年たっても・・・
依然として風化しなかった。
5年、6年、7年・・・・・・
ああ奇跡の星だ。 地球は・・・
戦争が終わって10年後の夏の日。
小さな穴が地面にぽつぽつとあいたかと思うと
夜明けの崩れたビルの壁に張り付いて
羽化を始めた!!!
蝉だ 蝉が土というシェルターのなかで眠っていたのだ。
これから また気が遠くなるような年月を費やして
蝉は進化していくのだろうか・・・
すっかり 放射能のぬけた 地球で蝉の羽根を
つけた かつて人間とよばれていたいきものと
そっくりな新種が地球を我がものにしているかもしれな
い。
テロや核実験、宗教問題をかかえての長い戦い・・
独立の弾圧・・・・
20@@年。
ノドン・テポドン・ゲンバク・・・とうとうはじまってしまった。
世界遺産は あとかたをとどめず、美しい海は汚れ
街という街は破壊された。
営々と築いてきたものが、一瞬に消えさる。
第3次世界大戦の前に、人間の叡智がもろくも
崩れ去るときだった。
土も草木も川や海も汚染された。
生きとし 生けるものは なにひとつなかった。
空に一羽の鳥さえ・・・・
地球は宇宙からはかわらぬ青い星だったが
地上の放射能は2年たっても3年たっても・・・
依然として風化しなかった。
5年、6年、7年・・・・・・
ああ奇跡の星だ。 地球は・・・
戦争が終わって10年後の夏の日。
小さな穴が地面にぽつぽつとあいたかと思うと
夜明けの崩れたビルの壁に張り付いて
羽化を始めた!!!
蝉だ 蝉が土というシェルターのなかで眠っていたのだ。
これから また気が遠くなるような年月を費やして
蝉は進化していくのだろうか・・・
すっかり 放射能のぬけた 地球で蝉の羽根を
つけた かつて人間とよばれていたいきものと
そっくりな新種が地球を我がものにしているかもしれな
い。
進化するコンビニ
コンビニは素晴らしい。何でもある。
街かどでにはもちろん、今や、ステーション、ホテルの中、病院、マンションの中まである。
まず、朝起きたら部屋着にままで 朝のおにぎり、パン
を買いにマンション内のお店に・・・・スープやお味噌汁にはお湯を入れてくれる。
そのうち、人々はコンビニのまわりに引っ越しをしてくるだろう。地域のコミュニティの中心は小学校単位ではなくなり、大型のコンビニになっていく。緊急事態にも
食料の備蓄という点から見ても最適だからだ。
各階にコンビニがあって、人間のただのちいさな安い
個室が入ったマンションが馬鹿売れするようになる。
美容院、文化的サロン、幼児教室、コピー、ATM, 宅配便も・・・・・
人々の家には 冷蔵庫も電子レンジも、コンロも、マナ
板や包丁さえもいらなくなる。料理しなくなるからだ。
それだけではない、ボタンを押すと店の商品が壁に
組み込まれた 専用通路を通って部屋の専用トレイに
ポトリとおちる。電子音が言う「ト レ イ 」
ぽとりとやってくるものは、文具、日用品、化粧品、菓子、パン、弁当、本、レンタルDVD・・・生鮮食料品・・・
ありとあらゆるものが。
さらにコンビニは進化するだろう。骨伝導が進化した
携帯をおでこにあてると あれがほしいと願っただけで
商品がぽとりとやってくるようになる。
人々は出歩かなくなり、料理のレシピを忘れ、会社に行ったりデートの楽しさを忘れていく。
人とのつきあいは、仕事も遊びもネットで事足り、道路から車が極端に減って行く。
畑で働いているのは ロボットだ。
こうしてコンビニマンションの小さなカプセルみたいな個室で シャカ シャカシャカ・・・・桑の葉みたいに
コンビニ食をたべているにんげんカイコが増えて行く。
このにんげんカイコはさなぎになるのだろうか・・・・
おぞましい・・・・・とうなされて 朝起きた。
夢でよかった。さあキッチンでコーヒーをいれ 美味しいトーストにいり卵、野菜サラダの朝ごはん たーべよっと。
街かどでにはもちろん、今や、ステーション、ホテルの中、病院、マンションの中まである。
まず、朝起きたら部屋着にままで 朝のおにぎり、パン
を買いにマンション内のお店に・・・・スープやお味噌汁にはお湯を入れてくれる。
そのうち、人々はコンビニのまわりに引っ越しをしてくるだろう。地域のコミュニティの中心は小学校単位ではなくなり、大型のコンビニになっていく。緊急事態にも
食料の備蓄という点から見ても最適だからだ。
各階にコンビニがあって、人間のただのちいさな安い
個室が入ったマンションが馬鹿売れするようになる。
美容院、文化的サロン、幼児教室、コピー、ATM, 宅配便も・・・・・
人々の家には 冷蔵庫も電子レンジも、コンロも、マナ
板や包丁さえもいらなくなる。料理しなくなるからだ。
それだけではない、ボタンを押すと店の商品が壁に
組み込まれた 専用通路を通って部屋の専用トレイに
ポトリとおちる。電子音が言う「ト レ イ 」
ぽとりとやってくるものは、文具、日用品、化粧品、菓子、パン、弁当、本、レンタルDVD・・・生鮮食料品・・・
ありとあらゆるものが。
さらにコンビニは進化するだろう。骨伝導が進化した
携帯をおでこにあてると あれがほしいと願っただけで
商品がぽとりとやってくるようになる。
人々は出歩かなくなり、料理のレシピを忘れ、会社に行ったりデートの楽しさを忘れていく。
人とのつきあいは、仕事も遊びもネットで事足り、道路から車が極端に減って行く。
畑で働いているのは ロボットだ。
こうしてコンビニマンションの小さなカプセルみたいな個室で シャカ シャカシャカ・・・・桑の葉みたいに
コンビニ食をたべているにんげんカイコが増えて行く。
このにんげんカイコはさなぎになるのだろうか・・・・
おぞましい・・・・・とうなされて 朝起きた。
夢でよかった。さあキッチンでコーヒーをいれ 美味しいトーストにいり卵、野菜サラダの朝ごはん たーべよっと。
2010年11月27日土曜日
友情
そこは、うっそうと木々が生い茂る、少年の家の近くの
森だった。少年は虫取り網と虫籠を持って、地面ばかり 気にして歩いていた。
夏休みに入って間もない、青空に雲ひとつない 暑い朝だったが、森の中は木漏れ日が涼しく、優しく少年を導いてくれた。
「あった!」
少年がさがしていた 小さな穴が無数にあいた場所が。
見上げたそばの木の上に 今日生まれたせみがいっぱいしがみついていた。
少年はもっている網で捕獲し、ずるずると下にすべらせ、簡単に虫かごへいれることができた。
あっと言う間に 虫かごが蝉でいっぱいになると、少年は網をほり出したまま、ポケットの小銭を確認すると
すたすたと バス停に向かって歩きだした。
バスを待つあいだ 晴れ渡った空を見上げて、少年はつぶやいた。
「ゆうくん どうしてるかな・・・」
同級生の ゆうくんは、1学期の中ごろから 病院に入院して学校にこれなくなっていた。
先生は
「まだ、子どもは お見舞いにいっちゃあいけないんだ・」
「みんなで、お手紙書こう。」
ゆうくん 読んでくれたのかな。
ゆうくんは、これ以上ない笑顔で少年を迎えてくれた。
「おっ。」
「よっ。」
「セミか?」
「うん、いまとってきた。」
「すごいな。いっぱいだ。ありがとう。」
「いや、 うん。」
二人は黙って蝉を見ていた。
どれぐらい たっただろうか・・・いきなり
「み~ん・・み~ん」
と鳴き出して 二人は飛びあがった。
ここは病院だ。
「まずい!」二人は屋上から逃がしてやることにした。
日差しは暑いが、風がよくわたる病院の屋上から、少年たちの住む町も小学校も遠くに見えた。
ゆうくんは言った。
「学校が見えるだろ・・・2学期から行けるかなあ・・」
「行けるに 決まってんだろ。2学期は音楽会もあるし
ゆうくんの ピアノなしじゃみんな困るよ。
ぜったい いけるって。」
なんの根拠もないのに、少年は大きな声で言った。
「じゃ そろそろ・・」
「うん・・・」
二人が虫籠を開けると、蝉たちはてんでに飛び立って行った。
病室に帰ると、ゆうくんのお母さんがいて、少年に何度もお礼を言い、お昼までごちそうになった。
昼ごはんのあと、教科書の進み具合を教えたり、二人で漫画をかいたりして過ごした。
ふと気がつくと夕方だった。
少年は「また来るから・・」とゆうくんに告げ帰って行った。
家に帰るとまわりが 騒がしい。近所の人やパトカーまで来ている。
少年は みんなを心配させたのだったが、友だちの見舞いに行ったことがわかると三々五々帰って行った。
やがて、母親と父親と三人になると、母親は聞いた。
「なんで、急に 病院に行ったの?」
「セミは7日ぐらいしか 生きられないから 生まれたばかりのを見せてあげたかったんだ。ゆうくんずっと病院
だから・・・」
両親たちは 息子の友だちの病名を知っていた。
「あんたって子は・・・」
母親が少年を抱きしめ、その二人を父親が抱きしめた。
空には いつか満天の星がでていた。
ゆうくんは もっと大きな病院に転院し学校にはもどってこなかった。
毎年 夏 蝉が鳴くと少年は思い出す。
「ゆうくん どうしているかな・・・」
森だった。少年は虫取り網と虫籠を持って、地面ばかり 気にして歩いていた。
夏休みに入って間もない、青空に雲ひとつない 暑い朝だったが、森の中は木漏れ日が涼しく、優しく少年を導いてくれた。
「あった!」
少年がさがしていた 小さな穴が無数にあいた場所が。
見上げたそばの木の上に 今日生まれたせみがいっぱいしがみついていた。
少年はもっている網で捕獲し、ずるずると下にすべらせ、簡単に虫かごへいれることができた。
あっと言う間に 虫かごが蝉でいっぱいになると、少年は網をほり出したまま、ポケットの小銭を確認すると
すたすたと バス停に向かって歩きだした。
バスを待つあいだ 晴れ渡った空を見上げて、少年はつぶやいた。
「ゆうくん どうしてるかな・・・」
同級生の ゆうくんは、1学期の中ごろから 病院に入院して学校にこれなくなっていた。
先生は
「まだ、子どもは お見舞いにいっちゃあいけないんだ・」
「みんなで、お手紙書こう。」
ゆうくん 読んでくれたのかな。
ゆうくんは、これ以上ない笑顔で少年を迎えてくれた。
「おっ。」
「よっ。」
「セミか?」
「うん、いまとってきた。」
「すごいな。いっぱいだ。ありがとう。」
「いや、 うん。」
二人は黙って蝉を見ていた。
どれぐらい たっただろうか・・・いきなり
「み~ん・・み~ん」
と鳴き出して 二人は飛びあがった。
ここは病院だ。
「まずい!」二人は屋上から逃がしてやることにした。
日差しは暑いが、風がよくわたる病院の屋上から、少年たちの住む町も小学校も遠くに見えた。
ゆうくんは言った。
「学校が見えるだろ・・・2学期から行けるかなあ・・」
「行けるに 決まってんだろ。2学期は音楽会もあるし
ゆうくんの ピアノなしじゃみんな困るよ。
ぜったい いけるって。」
なんの根拠もないのに、少年は大きな声で言った。
「じゃ そろそろ・・」
「うん・・・」
二人が虫籠を開けると、蝉たちはてんでに飛び立って行った。
病室に帰ると、ゆうくんのお母さんがいて、少年に何度もお礼を言い、お昼までごちそうになった。
昼ごはんのあと、教科書の進み具合を教えたり、二人で漫画をかいたりして過ごした。
ふと気がつくと夕方だった。
少年は「また来るから・・」とゆうくんに告げ帰って行った。
家に帰るとまわりが 騒がしい。近所の人やパトカーまで来ている。
少年は みんなを心配させたのだったが、友だちの見舞いに行ったことがわかると三々五々帰って行った。
やがて、母親と父親と三人になると、母親は聞いた。
「なんで、急に 病院に行ったの?」
「セミは7日ぐらいしか 生きられないから 生まれたばかりのを見せてあげたかったんだ。ゆうくんずっと病院
だから・・・」
両親たちは 息子の友だちの病名を知っていた。
「あんたって子は・・・」
母親が少年を抱きしめ、その二人を父親が抱きしめた。
空には いつか満天の星がでていた。
ゆうくんは もっと大きな病院に転院し学校にはもどってこなかった。
毎年 夏 蝉が鳴くと少年は思い出す。
「ゆうくん どうしているかな・・・」
侵略者
2000年代をふりかえって ツタは語る
我々はツタ星から遠く蒼く輝いている、地球という星に焦点をあてていた。そのころ、この星を支配していたのは動物だった。動くことの出来ない、食物連鎖の最下層の植物が地球を乗っ取るなどと考える者などいなかっただろう。
実際、我々のサイエンスティックテクノロジーの進歩で、地球に我々と全く同じ生物が存在することを知ることは素晴しい驚きだった。
我々ツタは、動物には聞き取れない微弱な信号を交し合い、地球侵略を進めていった。
「広がれ、広がれ」 「進め、進め」 「覆い尽くせ、覆い尽くせ」
合言葉を ささやきながら、ありとあらゆるものを覆い尽くしていった。木や岩、道路、建物、橋・・・・
鉄もガラスも、プラスティックもどんなものからも栄養を摂ることが出来た。
木は立ち枯れ、ビルディングは傾き、道路や橋も我々ツタで見えなくなっていった。
甲子園から我々の仲間が消えてしまったのは残念であるが、新しい星を乗っ取る開拓者としては、先住民の気まぐれで刈り取られることは仕方のないことだ。
地球人は、テロや戦争にあけくれ、自然破壊を繰り返し、我々の静かなる侵略にも気付くことなく、個々の自由や物欲を追求してやまない生物なのだ。
やがて、10年、20年・・・・・50年が過ぎた。
地球は、加速度のついた温暖化への対応が出来ず、多くの島が水没した。人口増加、食物連鎖の崩壊、生物体系は崩れ去り、わずかに残った陸地には 「ツタ」だけが生い茂っていた。海にわずかな魚類と・・・ やがてすべての生命体が消えていくかのように思われた・・・・あらゆるものを覆い尽くしたツタだけの星! 侵略は成功したのか・・いや・・・我々の誤算が地球乗っ取りを阻止することになったのだ。まるで、オウンゴールのように・・
「ツタ」で覆い尽くしたビル、町、大都市。それこそが、地球の熱を奪い去り、温暖化を阻止する唯一のものだったのだ。瀕死の淵からよみがえった地球は、何事もなかったかのように、また光合成からその歴史を繰り返すのだろうか・・・我々の星にすることは出来なかった。いや、我々が地球を救ったのだ。ほっておけば、自滅していたはずだ。
いつの日にかこの星に侵略者がまたやってくるだろう。 その前に今度こそ滅びているかも・・
我々が見てきた美しい星。滅びるのはもったいないが・・・
我々はツタ星から遠く蒼く輝いている、地球という星に焦点をあてていた。そのころ、この星を支配していたのは動物だった。動くことの出来ない、食物連鎖の最下層の植物が地球を乗っ取るなどと考える者などいなかっただろう。
実際、我々のサイエンスティックテクノロジーの進歩で、地球に我々と全く同じ生物が存在することを知ることは素晴しい驚きだった。
我々ツタは、動物には聞き取れない微弱な信号を交し合い、地球侵略を進めていった。
「広がれ、広がれ」 「進め、進め」 「覆い尽くせ、覆い尽くせ」
合言葉を ささやきながら、ありとあらゆるものを覆い尽くしていった。木や岩、道路、建物、橋・・・・
鉄もガラスも、プラスティックもどんなものからも栄養を摂ることが出来た。
木は立ち枯れ、ビルディングは傾き、道路や橋も我々ツタで見えなくなっていった。
甲子園から我々の仲間が消えてしまったのは残念であるが、新しい星を乗っ取る開拓者としては、先住民の気まぐれで刈り取られることは仕方のないことだ。
地球人は、テロや戦争にあけくれ、自然破壊を繰り返し、我々の静かなる侵略にも気付くことなく、個々の自由や物欲を追求してやまない生物なのだ。
やがて、10年、20年・・・・・50年が過ぎた。
地球は、加速度のついた温暖化への対応が出来ず、多くの島が水没した。人口増加、食物連鎖の崩壊、生物体系は崩れ去り、わずかに残った陸地には 「ツタ」だけが生い茂っていた。海にわずかな魚類と・・・ やがてすべての生命体が消えていくかのように思われた・・・・あらゆるものを覆い尽くしたツタだけの星! 侵略は成功したのか・・いや・・・我々の誤算が地球乗っ取りを阻止することになったのだ。まるで、オウンゴールのように・・
「ツタ」で覆い尽くしたビル、町、大都市。それこそが、地球の熱を奪い去り、温暖化を阻止する唯一のものだったのだ。瀕死の淵からよみがえった地球は、何事もなかったかのように、また光合成からその歴史を繰り返すのだろうか・・・我々の星にすることは出来なかった。いや、我々が地球を救ったのだ。ほっておけば、自滅していたはずだ。
いつの日にかこの星に侵略者がまたやってくるだろう。 その前に今度こそ滅びているかも・・
我々が見てきた美しい星。滅びるのはもったいないが・・・
セカンドアース
ここは 人間が作ったバーチャルタウン。セカンドアース。
ここでくらすヒトは いわば パソコンで作られた クローン人間だ。
それぞれ、家庭があり、仕事や学校に行き、タウンにはショップが並び、電子マネーがあればマクドナルドにいくのも、ホテルでディナーするのも、フェラーリを買うのも自由である。
4月のある日、タウンの家電量販店の大型スクリーンのTVで、また各家庭のリビングでも、ネットのニュースでも、あるニュースが流れていた。
某クルマメーカーのヒト型ロボットがバージョンアップして、やあといわれて、握手のために右手を差し出す。コップを握ってのどをうるおした !
自分と無線ランのようにつながっている自分の分身の脳に
自分が念じたことが反映されると。脳波が電磁波になる?
そのニュースをみたタウンのヒトは
「50年は遅れているね。」
「それに 個性のない顔!」
「ずんべらぼうっていうんだよ。」
タウンのヒトは学習するプログラムを内蔵しており、
どんどんバージョンアップをみずから繰り返し
いまでは、アイコンタクトだけで会話ができ、アッシモのことを
こんなふうに話していた。
会社に行って働き、子育てをする。病気にはならず、だれもが可愛く
かっこいい。
セカンドアースは 人間のつくった理想郷だろうか・・・
わたしはそうは思わない。
失敗がない人生に達成感は生まれない。
老いがありリミットがあるから生きる意義や目標ができる。
病がありけがをするから、感謝と何くそ魂がうまれる。
(ないにこしたこと ほんとは ないけど・・・)
このパソコンのむこうがわでセカンドヒューマンが増殖しているかも
しれないが、わたしは 温暖化 経済悪化 自然災害・・・もろもろを
かかえているリアルアースを愛している。
ここでくらすヒトは いわば パソコンで作られた クローン人間だ。
それぞれ、家庭があり、仕事や学校に行き、タウンにはショップが並び、電子マネーがあればマクドナルドにいくのも、ホテルでディナーするのも、フェラーリを買うのも自由である。
4月のある日、タウンの家電量販店の大型スクリーンのTVで、また各家庭のリビングでも、ネットのニュースでも、あるニュースが流れていた。
某クルマメーカーのヒト型ロボットがバージョンアップして、やあといわれて、握手のために右手を差し出す。コップを握ってのどをうるおした !
自分と無線ランのようにつながっている自分の分身の脳に
自分が念じたことが反映されると。脳波が電磁波になる?
そのニュースをみたタウンのヒトは
「50年は遅れているね。」
「それに 個性のない顔!」
「ずんべらぼうっていうんだよ。」
タウンのヒトは学習するプログラムを内蔵しており、
どんどんバージョンアップをみずから繰り返し
いまでは、アイコンタクトだけで会話ができ、アッシモのことを
こんなふうに話していた。
会社に行って働き、子育てをする。病気にはならず、だれもが可愛く
かっこいい。
セカンドアースは 人間のつくった理想郷だろうか・・・
わたしはそうは思わない。
失敗がない人生に達成感は生まれない。
老いがありリミットがあるから生きる意義や目標ができる。
病がありけがをするから、感謝と何くそ魂がうまれる。
(ないにこしたこと ほんとは ないけど・・・)
このパソコンのむこうがわでセカンドヒューマンが増殖しているかも
しれないが、わたしは 温暖化 経済悪化 自然災害・・・もろもろを
かかえているリアルアースを愛している。
こちらステルス戦闘機
わたしは 戦闘機にしては 少し豪華なオレンジの皮ばりのシート
にすっぽり包まれるように座っていた。暗黒の宇宙を 高速で泳ぐ。
Gに体をおしつけられ 仲間が次々にやられていくのを 金縛りに
あったようで 何もできないでいた。
そしてついに母船もやられた。奇跡的に数機だけが残ったようだ。
わたしは 手に持っていた 交信機に向かって言った。
「こちら みらくる みらくる だれか応答せよ。」
「こちら コマンド― コマンド― 人類の生き残りの使命を
果たすべく 新しい 星に向かう。進路を確認せよ。」
「ラジャー。」
わたしは手にしていた交信機の ボタンを押した。
すると・・・・・
コックピットの椅子の背がごとごと音をたて
なにやらローラーのようなものが上下している
足も同じだ
そうだった
わたしはマッサージチェアにすわったまま
レンタルした「バトルスター ギャラクティカ」を
最後まで見ないで寝てしまって続きを夢で見たのだった。
ロイヤリティのかたまりのジャックがおすわりをして
わたしを見ていた。
「ジャック ! 壊滅的な被害だったんだね。」夢から覚めてもまだ言う。
「本当は何機 攻撃からのがれたの?」
「ワン!」
にすっぽり包まれるように座っていた。暗黒の宇宙を 高速で泳ぐ。
Gに体をおしつけられ 仲間が次々にやられていくのを 金縛りに
あったようで 何もできないでいた。
そしてついに母船もやられた。奇跡的に数機だけが残ったようだ。
わたしは 手に持っていた 交信機に向かって言った。
「こちら みらくる みらくる だれか応答せよ。」
「こちら コマンド― コマンド― 人類の生き残りの使命を
果たすべく 新しい 星に向かう。進路を確認せよ。」
「ラジャー。」
わたしは手にしていた交信機の ボタンを押した。
すると・・・・・
コックピットの椅子の背がごとごと音をたて
なにやらローラーのようなものが上下している
足も同じだ
そうだった
わたしはマッサージチェアにすわったまま
レンタルした「バトルスター ギャラクティカ」を
最後まで見ないで寝てしまって続きを夢で見たのだった。
ロイヤリティのかたまりのジャックがおすわりをして
わたしを見ていた。
「ジャック ! 壊滅的な被害だったんだね。」夢から覚めてもまだ言う。
「本当は何機 攻撃からのがれたの?」
「ワン!」
2010年11月24日水曜日
マンタの海
ぼくは、マンタ。ぼくのすみかはこのあたりの海。石垣島の近くの、マングローブにおおわれた小さな島の近くさ。Akiraがぼくの唯一の友だち。Akiraのところは代々続いてきた漁師の家らしい。 パシャッと網を広げて投げた時、Akiraと家族らしい顔が船のへりから見える。海の中のぼくと目があうと、Akiraはすぐ飛び込んでくるんだ。マスクや背中に背負うものはなくても、長くもぐれる。そんな時のAkiraは人間ではなく、魚のようだ。そして、ぼくの体をなでたり、おでこをごっつんこさせたり、背中に乗ったりもする。Akiraが乗るとぼくは空高く舞う大鷲のように、海面ちかくをゆっくり泳ぐ。
見上げた海面は、ブルーがかった透明で、太陽の方向だけが円くまぶしく光ってゆれている。
いきなりいわしの大群が現れると、視界は銀色でおおわれAkiraを見失う。そうすると、海面に顔を出したAkiraが口笛を吹いて場所を知らせてくれる。海面すれすれを泳ぐ時、いろんな話を聞いた。魚つり名人のとうちゃんは、彼の誇りだ。スキューバダイビングの店をしている兄ちゃんは、石垣の海を守る運動とかをしてるって。チャンプルーが得意な母ちゃんは、その昔この島が気に入って東京から住みついたとか。 そしてAkiraは、「いっぱい勉強して医者になり、今はないこの村に診療所を建てるんだ」と目をきらきらさせていつも言っている。
ある時、Akiraと同じぐらい素潜りが上手な女の子を連れて、飛び込んできた。仲間が一人増えると、三倍楽しくなる。海の中でぼくが回転すると、順番に回転するんだ。ぼくの両端に二人がつかまると、バランスがいい。高速、低速、Uターン・・・そして、海面に浮かぶと、Akiraは頭をなでてくれ、女の子はチュウをしてくれた!!マンタもうれしいとほっぺが赤くなる・・・
大学の研究者の父親の「学術調査」とかいうものについて来ていた、その女の子をふくめぼくたち三人・・いや二人と一頭かな・・は、夏中毎日泳ぎ、潜った。いそぎんちゃくや、昆布の間でのおにごっこはいつもぼくだけ見つかった。泳ぐとなびく長い女の子の髪が茜色に染まるころまで遊んだ。
いつの間にか、トロピカルな海も少しずつ色あせ、渡る風が涼しくなり、秋がやってきていた。
そして、女の子が帰る日・・・いつものように泳いで浮かんで潜って、そしてぼくに抱きついて言った。
「来年の夏、きっとくるね。」
ぼくたちには、また以前の日々がもどっていた。でもAkiraはどことなく寂しげで、それはぼくも同じで・・・来年の夏 また楽しい日々がやってくると思っていたが・・・・
いつの間にかマングローブの根の間を泳いでいた魚たちは、潮が満ちると家々のキッチンやリビングの椅子やテーブルの足の間を泳ぐようになっていた。海老やくらげが、浮いた靴や植木鉢で遊んでいた。Akiraはどこだろう? ぼくにさよならも言わずに町の医者になるための学校に行ったのだろうか。
次の夏も、その次の夏もぼくはAkiraに会えなかった。シーレベルが上がり、ぼくはAkiraの家をのぞくことが出来るようになってしまったが、どこにもいないし、誰もいなかった。
あれから2年、いや3年たっただろうか。海面の太陽を背に、長い髪をなびかせて泳いでくるシルエットがあった。だんだん近づいてくると、ぼくにはわかった。あの時よく遊んだあの少女だった。海の中でも泣いているのがわかる。大丈夫だよまた会えるよ・・ぼくはきーきーと信号を送った。 いいえと
彼女は頭をふりながら、水中のAkiraの机のなかを探し、小さなガラスのビンを見つけた。中に手紙がはいっているようだ。ぼくは、彼女を背にのせ海面まで上がった。
手紙を読んだ彼女は 深いため息をついて、言った。「地球温暖化」「Akiraの島は沈んだのよ」「あの島は潮がひいても 水につかっている」
そして手紙を読んでくれた。
「ぼくたちは島を捨てたんじゃない。今でも島を愛してる。でも住めないんだから出て行くしかないんだ。」「忘れないよ、美しい島と海。親切だった島の人たち。いつかきみに読んでもらえると信じて書いたよ。マンタに伝えて。楽しかった日々をありがとう。努力してもかなわない夢ってあるんだね。」
ぼくも忘れないさ
一番の親友だからね
見上げた海面は、ブルーがかった透明で、太陽の方向だけが円くまぶしく光ってゆれている。
いきなりいわしの大群が現れると、視界は銀色でおおわれAkiraを見失う。そうすると、海面に顔を出したAkiraが口笛を吹いて場所を知らせてくれる。海面すれすれを泳ぐ時、いろんな話を聞いた。魚つり名人のとうちゃんは、彼の誇りだ。スキューバダイビングの店をしている兄ちゃんは、石垣の海を守る運動とかをしてるって。チャンプルーが得意な母ちゃんは、その昔この島が気に入って東京から住みついたとか。 そしてAkiraは、「いっぱい勉強して医者になり、今はないこの村に診療所を建てるんだ」と目をきらきらさせていつも言っている。
ある時、Akiraと同じぐらい素潜りが上手な女の子を連れて、飛び込んできた。仲間が一人増えると、三倍楽しくなる。海の中でぼくが回転すると、順番に回転するんだ。ぼくの両端に二人がつかまると、バランスがいい。高速、低速、Uターン・・・そして、海面に浮かぶと、Akiraは頭をなでてくれ、女の子はチュウをしてくれた!!マンタもうれしいとほっぺが赤くなる・・・
大学の研究者の父親の「学術調査」とかいうものについて来ていた、その女の子をふくめぼくたち三人・・いや二人と一頭かな・・は、夏中毎日泳ぎ、潜った。いそぎんちゃくや、昆布の間でのおにごっこはいつもぼくだけ見つかった。泳ぐとなびく長い女の子の髪が茜色に染まるころまで遊んだ。
いつの間にか、トロピカルな海も少しずつ色あせ、渡る風が涼しくなり、秋がやってきていた。
そして、女の子が帰る日・・・いつものように泳いで浮かんで潜って、そしてぼくに抱きついて言った。
「来年の夏、きっとくるね。」
ぼくたちには、また以前の日々がもどっていた。でもAkiraはどことなく寂しげで、それはぼくも同じで・・・来年の夏 また楽しい日々がやってくると思っていたが・・・・
いつの間にかマングローブの根の間を泳いでいた魚たちは、潮が満ちると家々のキッチンやリビングの椅子やテーブルの足の間を泳ぐようになっていた。海老やくらげが、浮いた靴や植木鉢で遊んでいた。Akiraはどこだろう? ぼくにさよならも言わずに町の医者になるための学校に行ったのだろうか。
次の夏も、その次の夏もぼくはAkiraに会えなかった。シーレベルが上がり、ぼくはAkiraの家をのぞくことが出来るようになってしまったが、どこにもいないし、誰もいなかった。
あれから2年、いや3年たっただろうか。海面の太陽を背に、長い髪をなびかせて泳いでくるシルエットがあった。だんだん近づいてくると、ぼくにはわかった。あの時よく遊んだあの少女だった。海の中でも泣いているのがわかる。大丈夫だよまた会えるよ・・ぼくはきーきーと信号を送った。 いいえと
彼女は頭をふりながら、水中のAkiraの机のなかを探し、小さなガラスのビンを見つけた。中に手紙がはいっているようだ。ぼくは、彼女を背にのせ海面まで上がった。
手紙を読んだ彼女は 深いため息をついて、言った。「地球温暖化」「Akiraの島は沈んだのよ」「あの島は潮がひいても 水につかっている」
そして手紙を読んでくれた。
「ぼくたちは島を捨てたんじゃない。今でも島を愛してる。でも住めないんだから出て行くしかないんだ。」「忘れないよ、美しい島と海。親切だった島の人たち。いつかきみに読んでもらえると信じて書いたよ。マンタに伝えて。楽しかった日々をありがとう。努力してもかなわない夢ってあるんだね。」
ぼくも忘れないさ
一番の親友だからね
2010年11月23日火曜日
黒い瞳
ある雨の日曜日。少女の部屋の窓に、やもりが貼り付いていた。円く、黒く、愛くるしい目をして、吸盤でくっついている おもちゃのようだった。
「お母さん、かわいい生き物がいるよ。」
「どれどれ、まあ やもりだわ。」
「珍しいね、マンションに侵入してくるなんて。」
女の子も両親もかわるがわるのぞいては、パソコンで調べてみた。
「食べるものは、こおろぎとか 生きた虫らしい。」
「じゃ、うちでは飼えないね。」
「外に放していらっしゃい。」
「わかったわ。」
女の子は、はじめて見た生き物なのに、なにか親しみを感じた。そっとプラスティックの容器に入れ、階下の草むらに放してやった。
次の日、学校から帰ると ドアの前で待っていたやもりがするりと 中に入った。
「お母さん、このやもり 草たべてたわ。昨日放した時 見たもの。」
「あら、そしたら ちょっと飼ってみる?せっかくわざわざ帰ってきたんだし・・」
というわけで、やもりの「やっくん」と名づけられ、少女の部屋で放し飼いされるようになった。
普段は壁に貼り付いているが、庭の草を皿に入れておいてやると よく食べる。変わり者のやもりだ。
あれから1週間
ヤックンは毎日もりもり草を食べ、2倍くらいの大きさになった。
それからまた1週間
少女が学校から帰ると、半透明のフード付ウインドブレーカーみたいなものを着ていた。自分で調べてみたら、脱いでいるところで{脱皮}ということがわかった。
少女とヤックンは大の仲良しになった。少女が帰ってくると、肩の上に乗り 手を出すと手のひらに乗った。なわとびの縄を張って、歩かせようとしたら 不器用なヤックンはころげ落ちて、みんなを笑わせた。
1ヶ月がすぎ
いつの間にか手のひらに乗れないくらい大きく成長した。
両親も少女も ヤックンは 家庭では飼えない生き物だと分かってきた。
新聞やテレビで報道されている、”あの生き物”なのだと・・・・それは少女の住む町の連日のニュースだった。
{最近の温暖化の影響を受けて、富士山ろくの未発見だった氷穴の永久凍土が溶け出し、恐竜の卵が孵化し始めた}
{エヴェレスト付近でも、同じ現象がおき、世界会議の必要がさしせまっている}
1日のばしにしていたヤックンとの別れ。でも両親と少女は決めざるをえなかった。
国の関係者が引き取りに来た日、少女は輪ゴムでつないだ首飾りの先に 大事にしていたあの「クローバー」のかざりをつけてあげた。
「ヤックン、忘れないでね。」
中型犬ぐらいになっていたヤックンは、ただ円く黒いひとみで少女をじっとみつめるだけだった。
それから10数年・・・世界の人々は温暖化を阻止すべく、ありとあらゆる努力をした。
少女はあの日ママがプロポーズされた年になっていた。その年かねてから行きたかったところへ、旅行に誘われた。
「エベレスト恐竜自然保護区に行こうよ。ぼくは知っているんだ。君がぼく以外に好きだったのはヤックンだけだったってね。」
・・・・・・・とうとう やって来た。
頑丈な柵で人間界とは区切られ、草原と雪原がどこまでも続くところに肉食竜とも区切られて彼らは草を食んでいた。
彼女はせつなくなって名を呼んだ。「ヤックーン・・・」
涙がぽろぽろこぼれ落ちた。 覚えているはずがない。 窓に貼り付いていたんだから。
手のひらに乗っていたんだっから。
「ここに これただけでよかったわ。」
「そうだよ。ヤックンはこの広い山のどこかで、ファミリーをつくって幸せに暮らしているさ。」
帰ろうとした時、突然木の陰からおおきな恐竜が現れた。首に輪ゴムが巻きついて、クローバーのかざりがゆれていた。 黒いひとみが じっと彼女を見つめていた。
「ヤックン!!」 彼女のボーイフレンドは、木によじのぼり、用意してきた輪ゴムを足して、ちょうどのサイズの首飾りにした。
ヤックンに会うだけの旅行だった。
無言で登山列車で保護区を後にした二人。山がどんどん遠ざかる・・・けれど幸せな気持ちでいっぱいだった。
2010年11月22日月曜日
青い星の緑の島
海と空の間が薄紫に染まり、それがだんだんオレンジ色を帯びてきた。海に向かって、三つの黒い
人影がずいぶん長く立っていた。森の中は、まだ真っ暗だ。
(イイ ヒトタチノ ホシダッタネ モウ イイヨパパ)
(ウツクシスギル ホシダッタワ アナタ)
(カエロウカ)
アイコンタクトを交し合った三人は空を見上げた。
彼らは、地球からはるか彼方にある星からやって来た。彼らにとって、生きるためには二酸化炭素
が必要で、汚れた空気や水に生存する微生物が栄養源だ。小さい星に人口増加・・・
彼らは、移住する星を探し当てた。 遠く、蒼く光る星「地球」 そこでは、戦争が繰り返され人々は、殺し合い、憎しみあい・・・また産業の発展は、その星の環境を彼らにとって都合の良いものにしていった。 そう考えた、かの星人は地球人の親子に姿を変え、調査にやってきたのだった。
海に近く、森もあり、人もかなり住んでいるらしい、昨日の深夜に着いたその場所は、地球の日本の
北の地「知床半島」というところだった。
夜から朝
(マックラダネ コワイヨ パパ)
(ホラ メガ ヒカッテル キタキツネダヨ)
(モリノ オクニハ ヒグマ トイウ オソロシイ ドウブツガイルラシイ)
朝の光のなかを、長い髪をなびかせて誰かがやってくる。(アア・・ガソリンノ イイニオイ!)
青年は、バイクから降り大きなビニール袋を取り出すと、空き缶などのごみを集めだした。額から大粒の汗が流れ落ち、Tシャツが背中にべっとりとはりついている。しばらく作業を続けてから、腰をおろし、持ってきたおにぎりを食べようとした時、自分をみつめる6つの目に気付いた。
「あれ、仲良く 家族でボランティア?」
「ぼく、おなかすいてない?」
「ほら、あげよ。」
青年は、おにぎりを一つ食べ、残りを「ぼく」に渡してまたバイクに乗って行ってしまった。
午後
三人がしばらく歩いていくと、老人のグループが植樹をしているところに出くわした。真っ黒に日焼けした、深いしわの刻まれた顔で老人たちは、
「どんどん大きくなれよ。」
「わしらの孫、ひ孫のころには大きくなって、秋には葉を落とし、虫が住み、栄養豊かな森になれよ」
と、笑顔で木に語りかけていた。
(オジサンタチハ ナンノタメニ キヲ ウエルノ ?)
「おや、家族で知床に遊びにきただか?」
「おじさんたちは、漁師さ。」
「豊かな森の栄養が、川を下り海に流れ、海でバクテリアは魚を育てるのさ。」
「だから、うんと漁をしても魚がいなくならないように、こうして木を植えるのさ。」
夜から明け方
太陽が傾くころ、やがて三人は湖のほとりにたどり着いた。
深い緑の稜線が、くっきりと湖に映っていた。あまりの美しさにぼう然と見とれている時、目の前の空気を切りさくように通り過ぎていった生き物がいた。
(パパ アレハ ナニ?)
(オオワシ ダヨ)
がさごそと、木の枝がゆれた。
(アノ オトハ ナニ?)
(エゾシカ ヨ)
三人は、少しうなだれながら海岸にたどりついた。もうすっかり夜だった。遠くに、灯台の灯かりが見える。波が寄せては引いていく音を聞きながら、三人は身を寄せ合って眠った。
(コノホシニハ イジュウデキナイネ)
(ヒトモ シゼンモ ヤサシク ウツクシイ)
(ボク コノホシノコニ ナリタイ)
(ボウヤ ソレハ ムリヨ)
(ホラ ミアゲテゴラン ボセンニ カエル ムカエガ ヤッテキタ)
(サヨウナラ シレトコ サヨウナラ チキュウ・・)
朝焼けの虹色の海に、遠く鯨が潮を吹いてゆうゆうと泳いでいた。
人影がずいぶん長く立っていた。森の中は、まだ真っ暗だ。
(イイ ヒトタチノ ホシダッタネ モウ イイヨパパ)
(ウツクシスギル ホシダッタワ アナタ)
(カエロウカ)
アイコンタクトを交し合った三人は空を見上げた。
彼らは、地球からはるか彼方にある星からやって来た。彼らにとって、生きるためには二酸化炭素
が必要で、汚れた空気や水に生存する微生物が栄養源だ。小さい星に人口増加・・・
彼らは、移住する星を探し当てた。 遠く、蒼く光る星「地球」 そこでは、戦争が繰り返され人々は、殺し合い、憎しみあい・・・また産業の発展は、その星の環境を彼らにとって都合の良いものにしていった。 そう考えた、かの星人は地球人の親子に姿を変え、調査にやってきたのだった。
海に近く、森もあり、人もかなり住んでいるらしい、昨日の深夜に着いたその場所は、地球の日本の
北の地「知床半島」というところだった。
夜から朝
(マックラダネ コワイヨ パパ)
(ホラ メガ ヒカッテル キタキツネダヨ)
(モリノ オクニハ ヒグマ トイウ オソロシイ ドウブツガイルラシイ)
朝の光のなかを、長い髪をなびかせて誰かがやってくる。(アア・・ガソリンノ イイニオイ!)
青年は、バイクから降り大きなビニール袋を取り出すと、空き缶などのごみを集めだした。額から大粒の汗が流れ落ち、Tシャツが背中にべっとりとはりついている。しばらく作業を続けてから、腰をおろし、持ってきたおにぎりを食べようとした時、自分をみつめる6つの目に気付いた。
「あれ、仲良く 家族でボランティア?」
「ぼく、おなかすいてない?」
「ほら、あげよ。」
青年は、おにぎりを一つ食べ、残りを「ぼく」に渡してまたバイクに乗って行ってしまった。
午後
三人がしばらく歩いていくと、老人のグループが植樹をしているところに出くわした。真っ黒に日焼けした、深いしわの刻まれた顔で老人たちは、
「どんどん大きくなれよ。」
「わしらの孫、ひ孫のころには大きくなって、秋には葉を落とし、虫が住み、栄養豊かな森になれよ」
と、笑顔で木に語りかけていた。
(オジサンタチハ ナンノタメニ キヲ ウエルノ ?)
「おや、家族で知床に遊びにきただか?」
「おじさんたちは、漁師さ。」
「豊かな森の栄養が、川を下り海に流れ、海でバクテリアは魚を育てるのさ。」
「だから、うんと漁をしても魚がいなくならないように、こうして木を植えるのさ。」
夜から明け方
太陽が傾くころ、やがて三人は湖のほとりにたどり着いた。
深い緑の稜線が、くっきりと湖に映っていた。あまりの美しさにぼう然と見とれている時、目の前の空気を切りさくように通り過ぎていった生き物がいた。
(パパ アレハ ナニ?)
(オオワシ ダヨ)
がさごそと、木の枝がゆれた。
(アノ オトハ ナニ?)
(エゾシカ ヨ)
三人は、少しうなだれながら海岸にたどりついた。もうすっかり夜だった。遠くに、灯台の灯かりが見える。波が寄せては引いていく音を聞きながら、三人は身を寄せ合って眠った。
(コノホシニハ イジュウデキナイネ)
(ヒトモ シゼンモ ヤサシク ウツクシイ)
(ボク コノホシノコニ ナリタイ)
(ボウヤ ソレハ ムリヨ)
(ホラ ミアゲテゴラン ボセンニ カエル ムカエガ ヤッテキタ)
(サヨウナラ シレトコ サヨウナラ チキュウ・・)
朝焼けの虹色の海に、遠く鯨が潮を吹いてゆうゆうと泳いでいた。
幸せの草
創作童話
ある町に小さな公園がありました。 ブランコと、すべり台、ベンチがひとつ、それに
1本の木が生えているだけ。人がふみしめるところ以外は、地面をしろつめくさがお
おっている。どこにでもあるような、古くからある公園です。
たくさんの、しろつめくさの中に、1本だけ4つ葉があるクローバーがありました。
変わり者と思われた四葉のクローバーには、友だちがいませんでした。話し相手は、
公園の大きな木だけです。四葉のクローバーは、いつもその大きな木に話しかけて
いました。
(のっぽさん、いつかわたしものっぽさんみたいに大きくなれるのかしら。)
(なれないんだよ。四葉ちゃん。わたしは木、きみは草だからね。)
(のっぽさん、いつかわたしものっぽさんみたいに人を幸せにできるかしら。)
(ぼくが? なにをしてるかな?)
(暑い夏の日、人はみなのっぽさんのこかげのベンチで、あー生き返ったと言ってるし・)
(うん、わたしは大きくなりすぎて、枝も葉っぱもボウボウだからね。)
(それに、冬はすっかり葉が落ちて、ベンチはあたたかいひだまりになるわ。)
(もう、長く生きてきたからね。わたしができることは、これぐらいしかないさ。)
(素敵なことだと思うわ。)
(四葉ちゃん、きみも人を幸せにできるさ。そのうちわかるよ。)
そんな話をしていると、いつもの二人が遊びにやってきました。その日は、ブランコ
もすべり台も使わないで、木のまわりでおにごっこをしたり、草の上に寝ころがったり
して遊んでいるのです。やがて、二人はクローバーを編みはじめました。女の子の方
が上手で、あっというまにかんむりを作りました。
「王様、頭にのせてあげましょう。」
「くるしゅう ないぞ・・・・」
その時です。
「じんくん、変わったはっぱがあるよ。」
「四葉のクローバーだね。かしてごらん。」
四葉ちゃんは、ぬかれてしまいました。
「ようこが、ぬいたはっぱなのに・・・・・じんくんどうするの?」
じんくんと呼ばれた男の子は、かばんから固い表紙の本を取り出して、四葉のクロー
バーを真ん中にはさむと、また本をかばんになおしました。
「どうするの?どうするの?」
「めずらしいクローバーだから、大事にとっておくんだよ。」
「うん、そうだね。めずらしいから大事にとっておこう。」
二人はしばらく遊んで、帰っていきました。
(のっぽさーん・・・・・さようなら・・・・)
(四葉ちゃん、きっときみは人を幸せにできる。そのために生まれてきたんだからね)
(こんなところにはさまれて・・どうやって・・何も見えない、人の顔も見えないのに・・)
(四葉ちゃん、さようなら・・・今日までの毎日が、わたしが幸せだった)
でも、最後の言葉は、もう遠ざかったじんくんのかばんにおさまっている四葉ちゃん
の耳には届いていませんでした。
それから、長い年月が過ぎ去りました。20年という年月にまわりの景色はすっかり
変わりましたが、置き忘れられたように、公園だけが昔のままでした。
のっぽさんの木陰のベンチに、一人の青年がやってきて木を見上げていました。
青年は、まぶしそうに見上げながらつぶやいていました。
「あのころのままだなあ」
そのとき、走ってきたのか息を切らせながら、女の人がやってきました。のっぽさん
には、その明るい笑顔が記憶のどこかにありました。
「おまたせっ。どうしたの?きょうは公園においでって。ずいぶんひさしぶりだけど、
この公園。昔、よく遊んだよね。」
青年は、上着のポケットから小さな箱を取り出しました。
「ダイヤモンドは、買ってあげられないけど、きみを一生守っていくつもりだよ。」
両手で箱をさしだしました。青年は結婚を申し込んだのです。
女の人は、ほほをほんのり染めて
「ありがとう。わたしも、一生ついていくわ。」
そう言って、箱を受け取り、ひざの上で開けてみました。
そこには、プラスティックでコーティングされた四葉のクローバーがついた小さな
リングが入っていました。
「わー、かわいい!もしかして・・これって・・・」
「うん、覚えていたんだね。あの日のクローバーだよ。」
(のっぽさーん・・・・あたしよ・・・)
(四葉ちゃん・・ひさしぶりだね。わたしが言った通りだろう)
(こんなに二人とも幸せそうな顔をして・・・・のっぽさん、わたし役にたったのね)
(そうだよ、人を幸せにすることは、自分が幸せになるということなんだよ。
わたしも、もう年だが、まだまだここでがんばるからね)
のっぽさんと、四葉ちゃんの再会は短いものでしたが、ほのぼのと、心があたた
かくなりました。
あの日の幼かった、じんくんとようこちゃんはすっかり素敵な大人になって、結婚
の約束をしたのでした。
それから、さらに数年の年月がながれ・・・・
古い小さな公園にある大きな木から、毎朝見えるものがあります。
誰かによく似た女の子の、赤いランドセルの横にぶらさがっている、
プラスティックでコーティングされたキーホルダー。走って学校にかけていく、
女の子の背中でゆれる四葉のクローバーのキーホルダー。
毎朝、毎朝、大きな木は、遠ざかっていく女の子を優しくみつめているのでした。
ある町に小さな公園がありました。 ブランコと、すべり台、ベンチがひとつ、それに
1本の木が生えているだけ。人がふみしめるところ以外は、地面をしろつめくさがお
おっている。どこにでもあるような、古くからある公園です。
たくさんの、しろつめくさの中に、1本だけ4つ葉があるクローバーがありました。
変わり者と思われた四葉のクローバーには、友だちがいませんでした。話し相手は、
公園の大きな木だけです。四葉のクローバーは、いつもその大きな木に話しかけて
いました。
(のっぽさん、いつかわたしものっぽさんみたいに大きくなれるのかしら。)
(なれないんだよ。四葉ちゃん。わたしは木、きみは草だからね。)
(のっぽさん、いつかわたしものっぽさんみたいに人を幸せにできるかしら。)
(ぼくが? なにをしてるかな?)
(暑い夏の日、人はみなのっぽさんのこかげのベンチで、あー生き返ったと言ってるし・)
(うん、わたしは大きくなりすぎて、枝も葉っぱもボウボウだからね。)
(それに、冬はすっかり葉が落ちて、ベンチはあたたかいひだまりになるわ。)
(もう、長く生きてきたからね。わたしができることは、これぐらいしかないさ。)
(素敵なことだと思うわ。)
(四葉ちゃん、きみも人を幸せにできるさ。そのうちわかるよ。)
そんな話をしていると、いつもの二人が遊びにやってきました。その日は、ブランコ
もすべり台も使わないで、木のまわりでおにごっこをしたり、草の上に寝ころがったり
して遊んでいるのです。やがて、二人はクローバーを編みはじめました。女の子の方
が上手で、あっというまにかんむりを作りました。
「王様、頭にのせてあげましょう。」
「くるしゅう ないぞ・・・・」
その時です。
「じんくん、変わったはっぱがあるよ。」
「四葉のクローバーだね。かしてごらん。」
四葉ちゃんは、ぬかれてしまいました。
「ようこが、ぬいたはっぱなのに・・・・・じんくんどうするの?」
じんくんと呼ばれた男の子は、かばんから固い表紙の本を取り出して、四葉のクロー
バーを真ん中にはさむと、また本をかばんになおしました。
「どうするの?どうするの?」
「めずらしいクローバーだから、大事にとっておくんだよ。」
「うん、そうだね。めずらしいから大事にとっておこう。」
二人はしばらく遊んで、帰っていきました。
(のっぽさーん・・・・・さようなら・・・・)
(四葉ちゃん、きっときみは人を幸せにできる。そのために生まれてきたんだからね)
(こんなところにはさまれて・・どうやって・・何も見えない、人の顔も見えないのに・・)
(四葉ちゃん、さようなら・・・今日までの毎日が、わたしが幸せだった)
でも、最後の言葉は、もう遠ざかったじんくんのかばんにおさまっている四葉ちゃん
の耳には届いていませんでした。
それから、長い年月が過ぎ去りました。20年という年月にまわりの景色はすっかり
変わりましたが、置き忘れられたように、公園だけが昔のままでした。
のっぽさんの木陰のベンチに、一人の青年がやってきて木を見上げていました。
青年は、まぶしそうに見上げながらつぶやいていました。
「あのころのままだなあ」
そのとき、走ってきたのか息を切らせながら、女の人がやってきました。のっぽさん
には、その明るい笑顔が記憶のどこかにありました。
「おまたせっ。どうしたの?きょうは公園においでって。ずいぶんひさしぶりだけど、
この公園。昔、よく遊んだよね。」
青年は、上着のポケットから小さな箱を取り出しました。
「ダイヤモンドは、買ってあげられないけど、きみを一生守っていくつもりだよ。」
両手で箱をさしだしました。青年は結婚を申し込んだのです。
女の人は、ほほをほんのり染めて
「ありがとう。わたしも、一生ついていくわ。」
そう言って、箱を受け取り、ひざの上で開けてみました。
そこには、プラスティックでコーティングされた四葉のクローバーがついた小さな
リングが入っていました。
「わー、かわいい!もしかして・・これって・・・」
「うん、覚えていたんだね。あの日のクローバーだよ。」
(のっぽさーん・・・・あたしよ・・・)
(四葉ちゃん・・ひさしぶりだね。わたしが言った通りだろう)
(こんなに二人とも幸せそうな顔をして・・・・のっぽさん、わたし役にたったのね)
(そうだよ、人を幸せにすることは、自分が幸せになるということなんだよ。
わたしも、もう年だが、まだまだここでがんばるからね)
のっぽさんと、四葉ちゃんの再会は短いものでしたが、ほのぼのと、心があたた
かくなりました。
あの日の幼かった、じんくんとようこちゃんはすっかり素敵な大人になって、結婚
の約束をしたのでした。
それから、さらに数年の年月がながれ・・・・
古い小さな公園にある大きな木から、毎朝見えるものがあります。
誰かによく似た女の子の、赤いランドセルの横にぶらさがっている、
プラスティックでコーティングされたキーホルダー。走って学校にかけていく、
女の子の背中でゆれる四葉のクローバーのキーホルダー。
毎朝、毎朝、大きな木は、遠ざかっていく女の子を優しくみつめているのでした。
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