2011年9月28日水曜日

創作狂言  灰かぶり娘

登場人物 城からの使い・・・使い
        しんでれら・・・・・・・・・・・・・し
        ままはは
        あね
        たろうかじゃ
        じろうかじゃ

使い「やいやい、たれかおらぬか」
太郎「ははー おまえに」
使い「ちと しさいあって この長いフォークで うまく
   食事ができるおなごを、探しておる。
   若殿のつかいじゃ。」
太郎「さすれば・・・」
ままはは 割って入る
ま「な、なんとどーんぴしゃりの おなごがおりまする。」
使い「どこじゃ、どこじゃ」
ま「ははー  こちらにひかえし おなごはみどもの
  むすめ 姉と妹にござります。」

使い「では、そこの卓上に 馳走をならべる。ささ
   ははぎみ、お三人で食されい。
   この長きフォーク一本しかつかえぬぞ。」
ま「みどものフォークは長すぎる。つえほどあるわ。」
姉「ええい、とどかぬわい・・」
妹「自分の口へもはいらぬ。」
ガラガラ  ガッチャーン
使い「たべれたか」
3人「たべられぬわい」
   「たべれたか」
   「たべられぬわい」
使い「とっとと 下がられい。若殿はそちらを
   お呼びでないわ。」


使い「おお  そこのおなご、 名はなんと申す。」
灰 「シンデレラ じゃがここでは灰かぶりと
   よばれておりまする。」
使い「ちと しさいあっての。この長いフォークで
   食せるおなごを探しておる。」
灰 「おまかせ あれい、太郎冠者、次郎冠者
   ご一緒に・・・」
2人「これは うれしや。」


使い「お3人、ささこの長きフォークにて食されい。」

灰「太郎冠者、おくちを開けなされこのエビを食されい」
太「なんと ぜいたくなお味じゃ。ささ 次郎冠者
  この鯛のあんかけを食されい。あーん」
次「うまいこと、うまいこと。しんでれらどの 春巻きを
  進ぜよう。」

つぎつぎに彼らは長いお箸で互いに食べさせあった。

使い「たべられたか」
3人「食べられたわい」
  「たべられたか」
  「食べられたわい」

使い「みごとじゃ・・・
    なんじが まこと  殿が探しておられる
    思いやり深いおなごじゃ。」
   「ささ、城へまいられい。いまかいまかと
    まちかねておいでじゃ。」
   「太郎冠者、次郎冠者両者もくるがよい。」
太次「ははーこのうえなき しあわせー」

城へむかう一団をみてのこった3人
   「やるまいぞ、やるまいぞ・・・・」




*ストーリーの骨子になる部分に 中国の
  仏教的昔話を参考にしました。

2011年7月16日土曜日

コロボックル

 姉と弟は、うつむいて歩いていた。

弟の手の甲と顔にひっかき傷があり、血がにじ

んでいる。

「もう、けんかなんか やめときや」

「せやけど、わざと 僕にしゃべらして みんなで
 笑うんやもん。」

二人は家庭の事情でお母さんと3人で北海道に

越してきたばかりだった。

「卑怯な人間は、よの中によーさんいてる。」

「分ってる。そのたんびに けんかばかりして
 られへん・・・」

その時 かわいた白い地面に、黒い水玉模様が

つぎつぎと、現れた。

「わたる、雨や。」

「お姉ちゃん、あそこ。」

弟が指さしたところには、二人よりはるかに背が

高い ラワンブキが群生していた。

ふたりが 高い天井の葉や太くしっかりした茎に

感心していると、外はどしゃぶりの雨になった。

かすみが学校で借りた本を、読んでやっている

うち、二人ともすっかり眠りの世界へ誘われて

いった。



起きてから 二人は、・・同じ夢を見ることがある

だろうか・・・・あれは現実のことだったのかな

コロボックルと名乗った自分たちよりはるかに小

さい生き物が人差し指をだすと 飛んできて指に

ぶら下がった。左右の掌を合わせると、何人乗

かれるかおしあいへしあい、。座ってひざを少し

たてるとすべり台に利用した。


雨があがって 帰るとき、彼らは口ぐちに言った

「ちいさなことで くよくよするなよー」
「北海道にはでっかい自然があるさ きみの
 ともだちだよ」
「自信をもつんだ算数100点だったろ?」


「また、きてもいい?」

「ああ いいさ いつでも おいで。」


だが 次の日 学校の帰り、ランドセルのまま

走っていったけれど、コロボックルたちはいなか

った。次の日も・・・次の日も・・・・・



いつしか大人になったわたると、かすみは

たまに誰にも話したことのない、あの時の話を

することがある。

夢だったのか、現実だったのか・・・何度考えて

もわからない。あの日を境に、泣き虫だった

わたるがやさしくて強い子になった。

かすみは、コロボックルは人の心に住むのかも

しれないなーと最近思う。

2011年7月4日月曜日

うりんぼ

駅の階段で わたしはないていた。動けないでいた。
震えてた。
たくさんの人が 上下する階段のはじっこで 恐ろしさでかたまっていた。

何日か前、わたしは生まれた。広いおうちにいる、お母さんのおなかから ふたごの弟と一緒に生まれた。
母さんは、わたしと弟をかわるがわるなめて、おっぱいをいっぱい飲ませてくれた。おなかいっぱいで、眠る 母さんのそばは あったかくて やわらかくて・・・とっても気持ちよかったけど・・・・ある日わたしと弟はダンボール箱に入れられ、駅の近くの草むらに捨てられた。
わたしは 母さんをさがしに 箱を出て駅の階段で動けなくなったんだ。

いきなり女の子の声がした。
「わあーー かわいい!」
そしてわたしは抱きあげられて 女の子の家に連れて行かれた。次々出てきた おうちの人はわたしを見て、
「あらっ かわいい ねこちゃん」
「アネキ、そのミーミーいってるやつどうしたん?」
「おや、かわそうに 震えて おなかがすいてるんだ。」
おうちの人はわたしに、お皿にいれたミルクをくれた。

  カアサン ドウシテイルカナ
  オトウトハ オナカスカセテイルダロウナ

わたしは背中の模様で「うりんぼ」と名付けられ、その
家で飼われることになった。なんとか飢え死にはまぬがれたみたいだった。

わたしを拾ってくれた恩人はカスミちゃん16才。
その弟 わたしをいじめかわいがり、ワタル14才。
おばあちゃんは、わたしの食事がかりになった。
一番好きなのは この家の おばちゃん。
のみとり、うんちの世話をしてくれ いいこ いいこ
と なでなでしてくれる。この人は母さんみたいだ。

わたしは この家でぐんぐん大きくなった。

  カアサン ドウシテイルカナ
  オトウトハ ヤセホソッテイナイカナ

爪とぎするので、障子もふすまもボロボロになった
けど、みんな
「うりんぼか しかたないな」と笑うだけ
テーブルの花びんを割ったときも
「うりんぼか しかたないな。」
一日中昼寝してても
「うりんぼか なまけものだな。」
うりんぼ!と呼ばれ みゃーとでも返事をすると
「うりんぼは 天才だ!」と言われる。
けっこう わがままで 幸せに暮らしている。

  カアサン ドウシテイルカナ
  オトウトハ ドコカニイルノダロウカ

春が過ぎ、夏が来て、秋、 冬、・・・
あれから4年がたった。

ある日スーパーへのお買いものに、車に乗せてもらった。駅の近くのスーパーでドアが開いた時、ちょっと
そのあたりを散歩しょうと 飛び出た。
スーパーの裏口には、段ボールや生ごみやいろんな
ものがあって、面白い。きょろきょろしていたその時。
一匹の猫が現れた。背中にいのししの子みたいな模様がある。
「みゃー おまえこの辺の猫じゃないな?」
「あなた いつか 会ったことある・・?」
「みゃーもしかして?」
「もしかして・・・みゃー」
ああそれは 長い間 忘れられずにいたふたごの
弟だった。
「おねえちゃん、元気だった?」
「ずーっと元気だったよ。人間に飼われているの。」
「ぼくは、きままに野良猫してるんだ。」
「毎日 食べられるの?」
「食べられない時もあるよ。でもこうやって生きてる。」
それから わたしたちはかくれんぼをしたり、かけっこ
をしたり・・・遊んではしゃべり、しゃべっては遊んだ。
弟は、人間は恐ろしいと言い、わたしは優しいと言い返した。足の裏に感じる土の感触の気持ちいいこと!
木登りも楽しかった。どんどん登ると気持ちよい風を感じた。
その時だった。遠くでわたしを呼ぶ声がした。
「うりんぼーー」
「うりんぼーー」さがしている。まいごになったと思って。

「おねえちゃん ここで暮らそうよ。」
わたしは やせた弟をじっと見つめた。涙があふれて
やがて弟はみえなくなった・・・
わたしは4年間、弟のことを心配してきたが、それは
あの人たちと暮らしてきた4年間だった。
「さようなら・・」後ろは振り向かないで声のするほうへ
走って行った。
わたしは はしりながら 思った
食べるものがなくて、こわい人間しか知らなくて、雨の日寝るところがなくても 生き生きと、自由に暮らせる
幸せもあるんだと。

  オトウトハ シアワセダッタヨ カアサン

2011年5月14日土曜日

空とぶ@@@

わたしは 暗く生暖かい 空気がまとわりつくような

森の中で、迷子になっていた。

ざわざわと風が吹くと、木々の梢がゆれ 、見えるよう

で 見えない青空から かすかに木漏れ日の道導が

足元を照らした。

どれぐらい歩いただろうか・・・突然目の前に白壁の

洋館が現れた。苔むした森に その洋館は少し違和感

があった。何が原因かわからなかった。

近づくと青に金の縁取りをした看板がかかっていた。

赤い字で「注文の多い料理店」と書いてあった。

「なに?聞いたことがあるなーー・・・たしか・・・

 宮沢賢治だ!! 食べられるのかい・オイオイ!」

けれど、空腹感と好奇心には勝てなくて入口のドアを

開けると、

{マウスを お持ちください}と書いてあった。

わたしは ポケットから 常備携帯マウスを取り出した。

そして次のドアを開けると、そこは散髪屋だった。

お店のひとがマウスの裏を一回なでると、バリカン

仕様になった。

えりあしがすっきり、涼しくなっていく・・・大きなあくび

をしてわたしは眠りに落ちた。

心地よい眠りから覚めたわたしは、目の前の鏡に映っ

た自分をみて 仰天した。

1ミリヘアーにびっしりとパン粉がくっついており、

頭はまるで大仏様。感心している間もなく次の部屋に

通された。奥におふろがある そこは脱衣所だった。

「あかすりをします。ゆっくりつかってください。」

「そんな 気持ちのいいことしてくれるんや。ありがたい。」

溶けていくような ぜいたくな牛乳&卵 風呂で、うっと

りしたあとは、また眠くなった。

「なんぼでも、あかすり してちょ・・・・・zzzzz・・・」

体じゅうエステの泥パックでもしてるのか、なにか

皮膚がつまっている感じがして 目が覚めた。

パックもパック。パン粉のパックだった。

奥から声がした。

「油の温度はどうじゃ?」

「ひさびさの おかしら付きだからね」

「ケチャップとマスタードで いただこうかな・・」

・・・・えらいこっちゃ・・・・

・・・・あら でっかい猫! ばけものねこだな・・・・・

「あのーすみません トイレに行かしてください。

もれそうなんです・・・。あう・・」

「それは 行っておいたほうが 味が・・いや・・

 パックがおちないようにそろそろ行ってください。」

右手にはしっかりと マウスがおさまっていた。

常備携帯フライマウスは 本来はパソコンに使うが

電話・バリカン・そしてこれから背中がぱかっと開いて

空を飛ぶのである。テントウムシが羽をひらくように。

口にわりばしをくわえ、その両端をわたしがつかみ

「とべ~~~」ちいさくても 高性能の飛ぶマウスは

こうして長年のうっぷんを猫にはらし わたしは

からあげにならずにすんだのである。

2011年2月1日火曜日

みつばちと花の精

みぞれが雪になり

音もなく

二人の上に降りてくる


鳥居をくぐれば

群れている鳩も

今日は いない


おみくじを交換して

よほど おかしいことがあるのか

雪が降る 灰色の空を見上げて

笑っている


二人は やがて

おみくじを

そばで可憐な花をつけている

蝋梅の枝に結んだ


ありがとう 楽しかったわ

女の目じりがぬれているのは

雪のせいじゃない

「また 会えるよ。」

「いつ 会えるの?」

「菜の花が咲くころ」

「わかっているわ。黄水仙・・・次がれんぎょう
そして フリージア・・・・」

「ぼくには 黄色の花が一番美しく見えるんだ。」



蝋梅の枝から

一匹のみつばちが飛び立ち

ちいさい輪を描いてから

どこかに行ってしまった


花の精は

なんども なんども くりかえした

またきてね

またきてね


神社の池に

同心円のさざなみがひろがり

池のあちこちでささやいている


くるよ きっとまた会えるさ

池の中から声をかけてくれたのは

マウスだった



マ・・・マウス!!!!

かめ

2011年1月9日日曜日

西暦3000年

毎年代変わりするので、その一匹が昔をしっている

訳ではない。しかし 親から子へとすこしずつ語り継が

れ今年羽化するセミたちはもう地上にでても 青空の

見える 公園ではなくなっていることを 知っている。 

片隅に遊具があり、桜・くちなし・百日紅などが手入れ

され、四季折々に咲いていた公園ではないと・・・・


その公園がある「日本」は危惧されていた少子化の

対策をとれないまま 短期政権がころころと方針を変え

ねじれ国会などと呼ばれ、相手の失敗をオニの首でも

取ったように吹聴し 本来の仕事を後回しにしすぎた。

移民を受け入れるでもなく、火星や月に第二の生物を

探索する科学者を育てるでもなく・・・・・


1億を越していた人口は、2100年化石燃料が途絶え

るころ、4000万人になり、ウランなどの核燃料も底を

つくころ100万人にと、少子化の対策をきちんととらな

かった日本は かつて どこの国も 経験したこともな

いほどのスピードで国家の形を 失っていった。


それだけではない。絶滅する動物や、異常繁殖する

生きものが いままでの バランスを崩し、一時は便利

だった ヒトガタロボットも燃料や 製作司令するもの

がいなくては意味をなさない。


雨がふれば 川が決壊し、列車の線路はぼうぼうに

生えた草で覆われた。

飛行場に亀裂が入り、フライトもストップした。

巨大化した おい茂る木々はのたうちまわる根っこで

アスファルトを砂漠の砂にし ビルというビルを破壊

した。時折 ゴキが走り回った。


西暦3000年 夏 日本の人口は29人。

あなから出てきた セミが見たのは もはや公園では

なく うっそうと茂る 空の見えない森。

文明からみはなされた アダムとイブのようなカップル


セミは あまりの衝撃にうっかり 羽化を忘れるところ

だった・・・・・・・

別れ

別れの夜

わたしは ピアノの演奏を聴きながら

ワインを飲みほした。

二人の最後の夜だった。

なつかしい・・・・

はじめてのデートで

この曲を聞いたわね。

今夜はデユエット

ちょっと待ってー
もう 帰るの?
もう少し いいじゃない
・・・・・ねえ



1.化粧のあとの鏡の前で

  いつも あなたの手を借りた

  背中のぼたんが止めにくい

  ・・・・・・・・・
                 化粧してから服着る?

                 独りで 着られへん服
                 買うなあーー
2.別れの夜の涙のしずく

  星も流れて 散ってゆく

  今夜のベッドも冷たそう

  ・・・・・・・

                 星が流れて 散ってゆく

                 えーらいこっちゃ

                 ねこ 飼えば 暖かよ

「ワイン おかわりーーー」

「お客さま オーダーストップでございます。」


ふん化粧なおしてーーーーかえろ~~ゆれながら~

あら コンパクトが あかないわ

つけまつげの チェックできないわ

グラッ
コツン

酔っているのではない
いつものいねむり

コツンとあたったのはコンパクトではない。

そうです。

ひそかなるマウスシリーズ第5弾ぐらい

別れの夜の出来事でありました。

別れの朝

カフェと呼ぶにはなつかしすぎるつくり。

ごくふつうのテーブルにいすが4つづつ、セットされている。

梁がむきだしで、大きな意味のないシーリングファンが

ゆっくり まわっている。

わたしは 男と別れ話をしていた。

すっかり さめたコーヒーを前に二人は言葉もなく

ただ 楽しかった日々を思い出していた。

「こんなことをしていても きりがないよ。」

「もう 帰っても 平気やし。」

ずっとだまっていた男がはじめて声をだした。

「ありがとう。忘れないよ。さようなら・・」



一人残されたわたしは 冷たくなったコーヒーを

すすり、トーストのよこについていたゆで卵を手に

もって、テーブルにコンコンとあててみたが卵はひび

もはいらない。かたい卵や・・・・

おでこで割ろう・・・コツーーーーン

あいてて・・・ててわたしは何をしてるんだろう・・

日記を書こうとパソコンの前にすわって・・またもや

爆睡。そしてまたもや夢をみた。そしてそして・・・・

あるときは「たわし」またあるときは「ひげそり」はたま

たあるときは「携帯」となって七変化のマウス。

小さいほうを使用中。きょうはゆでたまごとなって

わたし主演の夢ドラマの迷脇役となって、悲しい恋

にたちあったのでありました。
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2010年12月30日木曜日

花と少女

その少女はもう何度も入退院を 繰り返していた。

腰や足の体を支える骨が弱く、骨折とリハビリを繰り返

し、そのたびに病院のその部屋にやってくるのだった。

まだ 真新しいランドセルを大事そうにかかえて やっ

てきた彼女はいままでと違って、教科書を読んだり

お絵かきをしたり・・・でも横顔は少し寂しそうだった。

女の子が生まれたころ、その窓のそばに植えられた

木もようやく 窓から中がのぞけるようになっていた。

木は たびたびやってくる 彼女の笑顔がもっと見たく

て神様にお願いした。

「神様、わたくしに 小さくていい 可愛い花を下さい」

その年の秋、木には びっしりと黄金色の小さな花が

まるでポップコーンのように開いた。

「まあ 可愛い」 おんなのこは にっこり笑ってくれた。

木はもっとそばで笑顔がみたくなってまたお願いした。

「神様 わたくしに うっとりするような素敵な香りを

 ください。」

次の秋 えもいわれぬかぐわしさに、少女は窓を開け

ニコニコと木をながめた。

木は自然の神が聞いてくれる3つのお願いの最後

を頼むことにした。

「神様、風が吹くと すぐに散る花にしてください」

・最後のお願いがそんなことでよいのかい・・・・

「いいんです」

次の秋 びっしり黄金色の 小さな花が よい香りを

放ち、開け放ったまどから 風とともに少女のベッド

に降り注いだ。

ちょうど同級生の見舞いか・・・少年少女が何人か

いて、歓声をあげた。

「わあ かわいい」
「きれいだね」
「いーーーいにおい」

ベッドのまわりではしゃぐ子どもたち。

ベッドの少女も笑ってる笑ってる。

・・・・・・よかった ちいさくて みじかい いのちでも
     こんなに喜んでもらえて花でよかった・・・・・・


この季節になると花のささやきが聞こえる・・・・・

2010年12月16日木曜日

つかず・はなれず

「あんさん・・」

「なんや? 小春?」

「わてら もう長い関係ですな。」

「おう、 つかず・離れず 微妙な関係や」


「わたしは あんさんのスタイルと男前ぶりに
 ほれましてん。」

「わしかて こんなかわいい 目鼻だちのおんな
 ひとめぼれやったぜ 小春。」

「うちらは プラトニックな大人の関係
 抱きしめあわなくても心がつながっていると・・」

「うん けどここにくるやつはみな わしらを見て
 リアルや リアルやと 誰も背中に乗らん。」

「あの朝やってくるジャックという犬もこわがって
 近づきません」

「ひとには わからんで ええ。これからも
 側におってや。」

「へえ あんさん どこにもいけるはずがおへん。
 いっしょう おそばに置いておくれやす。」

2010年12月12日日曜日

光と影

小市民

フリーザーパック

洗って使う

ああ小市民


蚊取り線香

つばで消す

ああ小市民


特売のちらしがあれば

どこまでも自転車とばす

ああ小市民

こいで こいで

信号で止まってる車追い越し

競輪選手になれるわ うふふ


気がつけば

スーパーを過ぎていた

ああ小市民




カレーのつぎの昼

カレーうどん

ああ小市民


鍋料理のつぎの朝

ぞうすい

ああ小市民


わずかな

へそくり

定期預金?

投資?株?

決めかねて眠れない

ああ小市民


もし 大金あったら

何日も眠れないだろう

病気になるわ

お金がなくて喜ぶ


あああ小市民

2010年12月4日土曜日

ちん電  シンプルバージョン

近未来 連休

@@年先の人々は4月末からの連休をどう楽しむのか


昔、連休の初日と最後の日はひどい渋滞だったそうな

今は、ルートの指定をしておくと、パソコンでいながら

にして、スムーズに動ける。家を出る時間まで指定

されるが・・・・・・

高速に入れば 誰もが自動運転に切り替える。事故が

ほとんど起きないから車体は頑丈でなくてもかまわな

い。だから車は 器用な人は自販機で 組み立て車を

購入する。ガンダムを作るのとあまり変わらない。

ナビはもちろん大阪バージョン。

トイレや食事に立ち寄るときは「休憩する」とだけ言え

ばよい。

「よっしゃ、あと1キロでサービスエリアやから、左に
 よってな。ちょっと体操もしたらええねん」

饒舌なナビだ。


近場で過ごす人は 素足体験。ゲームやコンピュータ

ーとともに大きくなったかれらは素足で土の上を歩い

たことなどない。「くつを脱ぎ棄て地球を感じよう」と

携帯に潮干狩り復活のイベントを知らせるメールを

受けとった人。

ハワイに行ったつもりの 駅前バーチャルシティで

ゴーグルつきヘッドセット着用し、かぞく4人で

カプセルにはいる人・・・・


ほんとうにそんな ゴールデンウィークが過ごせるのか

??

破綻した国の労働者は 外国に出稼ぎにいっており

当然日本のゴールデンウィークがあるわけもなく・・・・

せっせとチップをつくる ラインに組み込まれて安い

賃金で仕事をしているかもしれないのだ・・・・・


たのしいウィークがはじまるのに  楽しい近未来が

想像できない・・・・・・こまったことだ。


音楽を聴きながら、コーヒーとトーストとヨーグルト。
ジャックといつもの公園に・・・・・近未来からふりかえる
と、輝くような なつかしい朝の光景かもしれない

温暖化が止まるとき

いつの年のことだったか、4月に入ってからの寒さが

異常だったことがある。異常気象のせいで、野菜の

値上がりが続いた。便乗値上げで、肉も、魚も、米も

食卓にのるものはみな 高くなった。


野菜が値上がりすると、外食産業も低迷する。

やがて人は外で遊ばなくなり、家でごろごろする

人が増える。


景気の低迷は さらに負の連鎖を呼び 企業は倒産

失業率が上がり、そこに少子高齢化が追い打ちをかける。
100才以上のお年寄りや、すずめの涙ほどの年金生

活者を支えきれない数少ない若者。

企業どころか 自治体のほとんどが破綻した。

福祉が機能しなくなり、ほんのひとにぎりの大金持ち

以外は路上生活者となっていった。一握りの大金持ち

はブルーシートを生産していた。

もっとも、ブルーだけではあいそがないと、カラフルな

シートも世界にひろがっていったが・・・

 こうして産業は衰え負のスパイラルをすべりおちて行 
った。

人々には冷房も暖房もなく、車で遠くに行くこともなく

自給率は完璧になった。

ほそぼそとテントコミュニティができていた。

気がつくと 温暖化の進行は止まっていた。


めでたしめでたし なんだろうか???

高齢者用デニーズ

近所に高齢者用のデニーズができた。

どこにもOver 80 とか 書いてないけど、看板が

紅葉を散らしたもので、デニーズという名を中央に屋根

の上に乗っている。

入口付近に段差はなく、フロアはまるで迷路のように

手すり手すり、また手すりである。

メニューは うす味・消化に良い・やわらかい、高タンパク、低脂肪をキーワードに

*野菜入り湯豆腐
*いもサラダ
*きざみパスタ
*麩のミネストローネ
*雑炊グラタン

大きな字 写真入りで わかりやすい。

ウエイトレス・ウエイターもシニア層。

もちろん厨房のシェフも80前後で、腕は確かだが

ときおり 調味料の配分を間違えたり レシピを度忘れ

する。

長く待たされても 誰もおこらない。互いに人の声が

聞こえないから自分の声はでかい。かくして話題が

続かないのに誰かが何かをしゃべっている状態。

かれらの朝は早いから、こんなとき居眠りをしてしまう

美味しいものを待つ 幸せ顔の客たち。

そばのかべにサイン入りの色紙が・・・・

{私には 毎日待っていることがある。  待っているこ

 とがあるというのは生きているものに希望があると

 ということで どんな人間にとっても うれしいこと

 である。  宇野 千代(1897~1996) }


はっ「こんどいきたいお店・・・くちこみ」なるものを
ネットサーフィンしてて また寝ておったわ・・・

リアルな夢だったなあ・・・・・

長生きして 美味しいものたべよう・・・

路面電車と紅いひまわり

2010年11月28日日曜日

オリオンドロイド

あたしは 宇宙からやってきた オリオンドロイド。

地球の生命体と、ほぼ同じ進化をたどった、オリオン星

座系の オリオンの食物連鎖の頂点にいる。

しかしこの星の「ヒト」のように捕獲したり、栽培、収穫

したりするのではない。

乱獲が続けば、種は絶滅・・・自分の首をしめること

になる。今 地球では何千何百という魚類、哺乳類

鳥類などが絶滅の危機にひんしているという。

あたしたちはそんな地球に目をつけた。

あたしたちは もうすこし 賢い!!

あたしたちは、食料難にならぬよう、生かさぬよう

殺さぬよう 相手に寄生する。

それも 種の保存と生き残りと増加をかけて、手の

こんだ方法で「ヒト」に寄生する。

あたしたちは、落下した隕石として、この星にやってき

た。そして、岩や山はだに同化し特殊な金属を産む

石として多くのなかまを増やしてきた。

どうやら、「ケータイ」と呼ばれるものの中に仕込まれる

金属らしい。

何回か加工を繰り返し、「ケータイ」に組み込まれる。

「ヒト」は電話をする。「もしもし」「ハロー」

その瞬間 携帯の上部にある小さな穴から、見えない

ほどのスピードでするりと耳のなかにはいっていく。

そして脳に寄生するのだ。

美味しいものを食べたい、素敵なひととデートをしたい

子孫を増やしたければ 寄生化した脳をもつ相方を

サーチビームで感知し、結婚させる。

なにもかも 思いのまま。いわばガンダムの操縦を

しているようなものだ。

あたしたちは「ヒト」の脳から指令を出して 栄養を

いただき 『ヒト」には気づかれずにその体を やがて

は地球をのっとるのである。


いかさぬよう  ころさぬよう・・・・

セミ

世界大戦のあとで

人間てやつは本当に仕方のない生き物だ。

テロや核実験、宗教問題をかかえての長い戦い・・

独立の弾圧・・・・

20@@年。

ノドン・テポドン・ゲンバク・・・とうとうはじまってしまった。

世界遺産は あとかたをとどめず、美しい海は汚れ

街という街は破壊された。

営々と築いてきたものが、一瞬に消えさる。

第3次世界大戦の前に、人間の叡智がもろくも

崩れ去るときだった。

土も草木も川や海も汚染された。

生きとし 生けるものは なにひとつなかった。

空に一羽の鳥さえ・・・・

地球は宇宙からはかわらぬ青い星だったが

地上の放射能は2年たっても3年たっても・・・

依然として風化しなかった。

5年、6年、7年・・・・・・

ああ奇跡の星だ。 地球は・・・

戦争が終わって10年後の夏の日。

小さな穴が地面にぽつぽつとあいたかと思うと

夜明けの崩れたビルの壁に張り付いて

羽化を始めた!!!

蝉だ  蝉が土というシェルターのなかで眠っていたのだ。

これから また気が遠くなるような年月を費やして

蝉は進化していくのだろうか・・・

すっかり 放射能のぬけた 地球で蝉の羽根を

つけた かつて人間とよばれていたいきものと

そっくりな新種が地球を我がものにしているかもしれな

い。

進化するコンビニ

コンビニは素晴らしい。何でもある。

街かどでにはもちろん、今や、ステーション、ホテルの中、病院、マンションの中まである。

まず、朝起きたら部屋着にままで 朝のおにぎり、パン
を買いにマンション内のお店に・・・・スープやお味噌汁にはお湯を入れてくれる。

そのうち、人々はコンビニのまわりに引っ越しをしてくるだろう。地域のコミュニティの中心は小学校単位ではなくなり、大型のコンビニになっていく。緊急事態にも
食料の備蓄という点から見ても最適だからだ。

各階にコンビニがあって、人間のただのちいさな安い
個室が入ったマンションが馬鹿売れするようになる。

美容院、文化的サロン、幼児教室、コピー、ATM,   宅配便も・・・・・

人々の家には 冷蔵庫も電子レンジも、コンロも、マナ
板や包丁さえもいらなくなる。料理しなくなるからだ。


それだけではない、ボタンを押すと店の商品が壁に
組み込まれた 専用通路を通って部屋の専用トレイに
ポトリとおちる。電子音が言う「ト レ イ 」

ぽとりとやってくるものは、文具、日用品、化粧品、菓子、パン、弁当、本、レンタルDVD・・・生鮮食料品・・・
ありとあらゆるものが。


さらにコンビニは進化するだろう。骨伝導が進化した
携帯をおでこにあてると あれがほしいと願っただけで
商品がぽとりとやってくるようになる。

人々は出歩かなくなり、料理のレシピを忘れ、会社に行ったりデートの楽しさを忘れていく。

人とのつきあいは、仕事も遊びもネットで事足り、道路から車が極端に減って行く。

畑で働いているのは ロボットだ。


こうしてコンビニマンションの小さなカプセルみたいな個室で   シャカ シャカシャカ・・・・桑の葉みたいに
コンビニ食をたべているにんげんカイコが増えて行く。

このにんげんカイコはさなぎになるのだろうか・・・・

おぞましい・・・・・とうなされて 朝起きた。


夢でよかった。さあキッチンでコーヒーをいれ 美味しいトーストにいり卵、野菜サラダの朝ごはん たーべよっと。      
                        

ぼくの友だち

2010年11月27日土曜日

友情

そこは、うっそうと木々が生い茂る、少年の家の近くの
森だった。少年は虫取り網と虫籠を持って、地面ばかり 気にして歩いていた。

夏休みに入って間もない、青空に雲ひとつない 暑い朝だったが、森の中は木漏れ日が涼しく、優しく少年を導いてくれた。

「あった!」
少年がさがしていた 小さな穴が無数にあいた場所が。
見上げたそばの木の上に 今日生まれたせみがいっぱいしがみついていた。
少年はもっている網で捕獲し、ずるずると下にすべらせ、簡単に虫かごへいれることができた。

あっと言う間に 虫かごが蝉でいっぱいになると、少年は網をほり出したまま、ポケットの小銭を確認すると
すたすたと バス停に向かって歩きだした。

バスを待つあいだ 晴れ渡った空を見上げて、少年はつぶやいた。
「ゆうくん どうしてるかな・・・」

同級生の ゆうくんは、1学期の中ごろから 病院に入院して学校にこれなくなっていた。
先生は
「まだ、子どもは お見舞いにいっちゃあいけないんだ・」
「みんなで、お手紙書こう。」
ゆうくん 読んでくれたのかな。


ゆうくんは、これ以上ない笑顔で少年を迎えてくれた。
「おっ。」
「よっ。」
「セミか?」
「うん、いまとってきた。」
「すごいな。いっぱいだ。ありがとう。」
「いや、 うん。」
二人は黙って蝉を見ていた。
どれぐらい たっただろうか・・・いきなり
「み~ん・・み~ん」
と鳴き出して 二人は飛びあがった。
ここは病院だ。
「まずい!」二人は屋上から逃がしてやることにした。

日差しは暑いが、風がよくわたる病院の屋上から、少年たちの住む町も小学校も遠くに見えた。
ゆうくんは言った。
「学校が見えるだろ・・・2学期から行けるかなあ・・」
「行けるに 決まってんだろ。2学期は音楽会もあるし
 ゆうくんの ピアノなしじゃみんな困るよ。
 ぜったい いけるって。」
なんの根拠もないのに、少年は大きな声で言った。
「じゃ そろそろ・・」
「うん・・・」
二人が虫籠を開けると、蝉たちはてんでに飛び立って行った。

病室に帰ると、ゆうくんのお母さんがいて、少年に何度もお礼を言い、お昼までごちそうになった。
昼ごはんのあと、教科書の進み具合を教えたり、二人で漫画をかいたりして過ごした。


ふと気がつくと夕方だった。
少年は「また来るから・・」とゆうくんに告げ帰って行った。

家に帰るとまわりが 騒がしい。近所の人やパトカーまで来ている。
少年は みんなを心配させたのだったが、友だちの見舞いに行ったことがわかると三々五々帰って行った。

やがて、母親と父親と三人になると、母親は聞いた。
「なんで、急に 病院に行ったの?」
「セミは7日ぐらいしか 生きられないから 生まれたばかりのを見せてあげたかったんだ。ゆうくんずっと病院
だから・・・」
両親たちは 息子の友だちの病名を知っていた。

「あんたって子は・・・」
母親が少年を抱きしめ、その二人を父親が抱きしめた。
空には いつか満天の星がでていた。

ゆうくんは もっと大きな病院に転院し学校にはもどってこなかった。

毎年 夏 蝉が鳴くと少年は思い出す。


「ゆうくん  どうしているかな・・・」

高速道路をはいあがる

侵略者

2000年代をふりかえって       ツタは語る

我々はツタ星から遠く蒼く輝いている、地球という星に焦点をあてていた。そのころ、この星を支配していたのは動物だった。動くことの出来ない、食物連鎖の最下層の植物が地球を乗っ取るなどと考える者などいなかっただろう。

実際、我々のサイエンスティックテクノロジーの進歩で、地球に我々と全く同じ生物が存在することを知ることは素晴しい驚きだった。

我々ツタは、動物には聞き取れない微弱な信号を交し合い、地球侵略を進めていった。


「広がれ、広がれ」    「進め、進め」    「覆い尽くせ、覆い尽くせ」

合言葉を ささやきながら、ありとあらゆるものを覆い尽くしていった。木や岩、道路、建物、橋・・・・

鉄もガラスも、プラスティックもどんなものからも栄養を摂ることが出来た。

木は立ち枯れ、ビルディングは傾き、道路や橋も我々ツタで見えなくなっていった。



甲子園から我々の仲間が消えてしまったのは残念であるが、新しい星を乗っ取る開拓者としては、先住民の気まぐれで刈り取られることは仕方のないことだ。



地球人は、テロや戦争にあけくれ、自然破壊を繰り返し、我々の静かなる侵略にも気付くことなく、個々の自由や物欲を追求してやまない生物なのだ。


やがて、10年、20年・・・・・50年が過ぎた。

地球は、加速度のついた温暖化への対応が出来ず、多くの島が水没した。人口増加、食物連鎖の崩壊、生物体系は崩れ去り、わずかに残った陸地には 「ツタ」だけが生い茂っていた。海にわずかな魚類と・・・      やがてすべての生命体が消えていくかのように思われた・・・・あらゆるものを覆い尽くしたツタだけの星! 侵略は成功したのか・・いや・・・我々の誤算が地球乗っ取りを阻止することになったのだ。まるで、オウンゴールのように・・

「ツタ」で覆い尽くしたビル、町、大都市。それこそが、地球の熱を奪い去り、温暖化を阻止する唯一のものだったのだ。瀕死の淵からよみがえった地球は、何事もなかったかのように、また光合成からその歴史を繰り返すのだろうか・・・我々の星にすることは出来なかった。いや、我々が地球を救ったのだ。ほっておけば、自滅していたはずだ。

いつの日にかこの星に侵略者がまたやってくるだろう。  その前に今度こそ滅びているかも・・

我々が見てきた美しい星。滅びるのはもったいないが・・・